結論、目標を立てると幸福を先延ばしにしてしまう。
自分がなりたい姿を決めて、それに基づいた行動をとろう!
以前、私は、目標(ダイエット)を成功させるためには、自分ではコントロールできない結果にこだわって努力しようとすると、失敗するという内容の記事を書きました。
この記事では、自分がコントロールできる日々の行動を目標にすると、結果的に自分が立てた目標を達成しやすいということを書きました。
この考え方について、最近”Atomic Habits”という本を読んで、より深い考察が加わったので、紹介したいと思います。
ジムに行き始めたけど全然変わらない?
ダイエットのために我慢しているのに全然体重へらない?
私はそういう遺伝だから頑張っても無駄..
こんな風にせっかく頑張っているのに成果がでないと落ち込んでいる方の参考になれば幸いです。
101回叩いて割れた岩は最後の1撃だけで割れるのではない
アメリカはテキサス州を本拠地とするプロバスケットボールチームのロッカーには、
こんな言葉が掲げられているそうです。
何も上手くいかない時、私は石工が岩を砕くのを見に行く。
社会改革論者ジェイコブ・リース氏
おそらく100回叩いても亀裂すら入らない。
それでも101回目に割れることがある。
それは最後の1打で割れたのではなく、それまでに叩いた回数全てによるものだ。
英語の原文も書いておきます。
When nothing seems to help,
Jacob August Riis
I go look at a stonecutter hammering away at his rock,
perhaps a hundred times without as much as a crack showing in it.
Yet at the hundred and first blow it will split in two,
and I know it was not that blow that did it,
but all that had gone before.
この名言は パウンディング・ザ・ロック(Pounding the Rock)と呼ばれているそうです。
さきほど、書いたプロバスケットボールチームとはNBAのサンアントニオ・スパーズ(San Antonio Spurs)というチームで、ファンサイトのURLは”poundingtherock.com”となっており、ファンにも浸透しているようです。
この言葉から分かるのは、努力した結果が見えるのはある日突然ということです。
また、その成果が見えるまでに積み重ねてきた努力は無駄ではなく成果に繋がっているということ。
人は、大きな成功には大きな行動が必要と思ってしまいます。しかし、小さな行動、つまり日々の習慣を少しずつ重ねていくことが非常に重要であるということです。
努力による成果は遅行指数
努力による成果は遅れてやってきます。
初めて、ジムでダンベルを持った翌日に二の腕が太くなってシャツがピチピチなんてことはないです。
突然10km走り混んだら、翌日は少し痩せているかもしれませんが、それは脂肪が減ったのではないはずです。
毎日ジムに行くようにしたり、毎日10分歩くようにしたりしても翌日や1週間後にすぐに目に見える結果が現れるわけではないです。
つまり岩はなかなか割れないように見える。
でも、ある時に努力は閾値を超えて、つまり岩が割れるようにして成果は見えます。
たいていの場合は、この成果が見える前に自分には才能が無いんだと思って諦めてしまうように思われます。
確かに、石工が岩を割る姿を見て、自分も割ってみようとして50回も叩いて割れなかったら諦めそうです。
しかも、あと何回叩けばいいか分からないでしょうし、もしこれまで何回叩いたか分からなければなおさら辛いです。
といえるでしょう。
ダイエットであれば、どれくらいの期間で何キロ痩せることが普通なのかとか、週5日10分歩くことにしたならカレンダーに歩いた日は〇をつけるようなことです。
後で、書くアイデンティティを意識するためにも非常に重要です。
そもそも、努力の成果は遅れてやってくるんだということを認識しているだけで、頑張れるか変わってくると思います。
セミは土の中に何年も潜ったままです。
1年経っても土の中。
10年以上たって突然、地上に出てきて、劇的な変化をとげます。
私はこれまで、筋トレを続けてきたけど諦めたという人の話を何度も聞いてきました。
その方々はたいてい、自分には合わなかったと言っている印象があります。
そもそも辞める場合には、実は楽しくなかったということも大いに影響していると思います。
そういう意味では、他に楽しめることを見つけられるので良いと思います。
ただし、成果を早く求めすぎて断念しているのならそれはとても勿体ないです。
成果がでないと楽しくないですよね?
でも、成果は遅れてやってくる。
あれ、じゃあ、
成果がでるまで永遠に不幸じゃん。。
目標を決めると成功か失敗かの2者択一を迫られる
皆さんには受験勉強をした経験がございますでしょうか?
受験勉強が終わったら、目標とする大学に合格したら、全ての苦しみから解放される。
そんな風に考えた経験はないでしょうか?
受験が終わるまでは、全ての欲望はおあずけ。
つまり、受験が終わるまで幸福感は先延ばし。受験が終われば全てハッピー!
この考え方に陥ると、受験が終わった時に合格したら幸福、失敗したら不幸の2者択一です。
しかも、仮に合格して幸福感をその時に味わっても、それはそのひと時だけです。
また次の目標を決めたら、それまで幸福はおあずけ。
もっと、全ての人に身近な例をとって考えてみると、いつかお金持ちになりたいと思ってみると、いつまでもお金持ちになった感じはしなくて、ずっと失敗しているような気分になると思います。
これは目標が漠然ということもあると思いますが、仮に、1000万円貯めることが目標だと決めたとして、1000万貯まるまでは辛いです。
貯まった後に、幸福か?というと、実はよくわからなかったりします。
目標ではなくアイデンティティを決める
ここまで、色々と書いてきたのですが、どうすれば幸福を感じることができるのか自分なりに大きな答えが出ました。
例えば、~kg痩せることを目標にするのではなく、自分が理想とするアイデンティティは何かを決める。
理想とする、モデルがいれば、その人の考え方を真似て、その人になりきるのです。
その人はどんな考え方をしているか。
その人は深夜にカップラーメンを食べるか?毎日ジムに通っているか?ジムに通うことを特別難しいことだと捉えているか?
私はジムに通い始めた時にこんな気持ちでした。
おー、自分はジムに来ている。。偉い。すごい。頑張っている!
全く運動もしてこなかったし、まだまだ弱い。
10kg以上のダンベルを触るのはまで弱くてできない。
このフォーム正しいのかな?周りから変に見られていないかな。。
運動しているだけ偉いし、これまで運動してこなかったんだから食事は変えなくていいや。
つまり、自分のアイデンティティは「ジムに頑張ってきて、体を変えようとしている人間だ。」というものでした。
なので、ジムに行くこと自体はまあまあ楽しかったのですが、
大会に出たり、社会人になっても週6回通っている今のような楽しさは感じていませんでした。
このアイデンティティが変わらないと新しい行動を取った時にすごく抵抗感が生まれると思うんです。
例えば、自分のアイデンティティを「私はアスリートだ。」と決めれば、楽になると思うのです。
このアイデンティティになることを目標にするとどうなるか。
決めたアイデンティティがとる行動ができていれば幸福
自分は今日からアスリートだと決めたとします。
普通は、~kg痩せるんだという数値目標を立てたり、
毎日10分歩くんだという行動目標を立てるところをです。
全てが楽になるんです。
まず、自分の理想とするアイデンティティ、アスリートがとるべき行動を洗い出すのです。
勿論自分が理想とするアスリートがとるであろう行動でいいのです。
アスリートである自分は、毎日10分歩く?
アスリートなら毎日1時間は走り混んでいそうだ。
いきなり無理。。
でも、まずはスモールスタートでいいでしょう。
最終目標は1時間走り混めるようなアスリート。
大事なのは、自分のアイデンティティが何かです。
アスリートである自分が1日10分歩くことは特別なことではないでしょう。
心理的な抵抗は全くないし、このマインドセットを持てたら悪い習慣を断てます。
アスリートである自分がカップラーメンを買っていいのか?
勿論、全て完璧である必要はなく、少しづつ最終目標であるアイデンティティに近づくことが重要です。
成果がでるのは後からなんですから。
ここで重要なのが先ほど書いた、記録をとることです。
記録をとって、自分のアイデンティティを強化していくのです。
記録をつけるたびに、理想のアイデンティティであることの証拠を積み上げるのです。
今週は1週間の内5日10分歩いた。また一歩アスリートに近づいた。
ここに書いたことって結局は、行動目標を決めることとやることは変わらないと思うのですが、そのモチベーションを保つために、自分は何になりたくてこれをしているかを把握するのは重要だと思うのです。
私の場合の目標アイデンティティ
私は、最近読んだいくつかの本を総合して、1つの大きなアイデンティティを定義したので紹介します。(勿論、今回読んだ”Atomic Habits”が最も大きな影響をもたらしました。)
それはリーダーになることです。
これで全て私が習慣にしていること、やりたいこと、実現したいことが繋がります。
私が普段、意識的にやっていることは次の通りです。
仕事としてやっているエンジニアは、リーダー業務なので、職務内容的に既にリーダーです。
しかし、私のアイデンティティをより具体的に表現するなら
あらゆる人をInspireできるリーダーになりたい
です。
私が生きる上で重要だと感じていることは人を動かせることです。
何をするにしても、他人を動かすことができるかが、価値の創造や生きがいに繋がるはずです。
デール・カーネギー先生の「人を動かす」という本で最初にこの考え方が強化されたのですが、
この本を読むよりもっと前に、ふと思ったことがありました。
それは、いつものジムに向かう道中、
駅前で50人くらいの大学生が騒いでいる姿を目にしたときです。
いつもは、「うるせぇなあ」と通り過ぎるだけだったのですが、ふと思いました。
この大学生達も数年後には、就活を始めるんだよな。
こんなバカみたいに騒いでいる大学生でも大企業で働こうとして面接受けたりするのかな。
そう、考えると大企業の社長って、すごい。。
このバカ騒ぎしている大学生には直接何も働きかけていないのに、
いくつもの人手を介して、勝手に自ずから働かして欲しいと動かすんだ。
こんなことを、いつものジムに向かいながら思ったんです。(笑)
そこで、ふとこの50人くらいの大学生もきっと基本的な知識は学んでいるんだから、こういう人にプログラミングの基礎でも教えて、
「世の中のこんな部分が不便で、良くしたいから、こんなもの作りたいからよろしく!」
と伝えて、50人態勢で実装したら結構すごいものできるんじゃないかと、
ウザったい騒ぎ声を聴きながらも思いました。
とにかく、人を動かす力って凄いなと思って、そういうリーダーになりたいんです。
リーダーって複数人のグループの長みたいなイメージで、たまに「マネジメントに興味があって、マネージャーになりたいんですか?」と言われるのですが、違います。
マネジメントって管理する印象があって、自分はあくまでリーダーになりたいんです。
モノを売るのだって、お客さんにものを買ってもらうようリーディングする必要があります。
そういう意味で、ブログで商品紹介してモノが売れることがありますが、まさにこれはそういうリーディングスキル向上に役立ちます。
勿論、この記事みたいに、モノを売るのが目的ではなくて、読んでくれた人の行動を変えられるとしたらそれもリーディングです。
そもそもブログを読んでもらえるようにするのもリーディング。
Youtubeをやっているのも、いかに見えてもらえるようにするかの点でリーディングスキル。
マーケティングスキルと正確には言うのでしょうが、ここではリフレーミングしています。
旅行や読書は直接つながってこないのですが、経験を増して自分の中に引き出しを増やすことは重要ですし、仕事やブログやYoutubeの活動に大きく影響してくるのでリーディングとも繋がります。
筋トレも投資もそうなのですが、自分が楽しいと思えるのでやっていて、かつ他の人にもやってもらえたらいいなと思っていて、そういう意味でリーディングに繋がると考えています。
例えば、筋トレに関して言えば、私が筋トレをして大会に出たことで、今の嫁が触発されて大会に出て、その妹さんもジムに通い始めました。
この間、3人でジムに行ったりもしましたが、こんな風に自分の影響で他人のライフスタイルを変えてしまうんだと実感しました。
しかもそれは言い方向への影響なので、他人の幸福にも繋がって生きがいが生まれます。
まとめ
何かを目標に努力している方に、自分がなりたいアイデンティティを決めてみてはどうかという話を書きました。
すこし、まとまりもなく思いのままに書きなぐってみましたが、
アナタの行動を変えるきっかけになったら嬉しいです。
因みに、何か始めたいと思った時に妨げとなるのは不明確さだそうです。
例えば、よし、お金を貯めよう!ではなくて具体的にいつ何をするか決めてみてください。
給料日に3万円をA銀行の口座からB銀行の口座に移すと決めたら、その通りやるだけです。
このブログの1つ前の記事を10秒後に読むと決めたら、その通りやるだけです。
この記事を10秒後にXでシェアすると決めたら、その通りやるだけです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
コメント